子どもの膝の痛み、成長痛?それともスポーツによる障害?

成長期に多い子どもの膝の痛み、どこが痛いですか?

急な痛みに効く応急処置

痛みが急に出た場合は、アイシングが一番です。

アイシングって何?って思われた方もいらっしゃると思いますので、簡単に説明します。アイシングとは氷やコールドスプレーや保冷材などで患部を冷やすことを言います。

アイシングは沈痛効果、腫れを抑える効果があります。患部を冷やすことで患部の血管を収縮(細く)させ、血流を抑えることで出血箇所を白血球がふさぎやすくなり、早く傷がふさがり腫れにくくなるのです。

アイシングのもう一つの効果は神経を麻痺させます。血流量を低下させ、温度を低くすることで神経の働きを鈍らせ痛みを感じにくくなるのです。簡単な痛み止めだと思っていただくとわかりやすいかもしれません。

アイシングのやり方は?氷があるのであれば、ビニール袋にいれて、患部を濡れたタオルで巻いてその上から氷嚢をおいてもらい5分ほど冷やします。大丈夫であれば感覚が鈍くなるくらいまで冷やすとよいです。または、紙コップなどに水を入れて凍らせてスティックのりのようにして冷やす方法もあります。患部を塗るように冷やしていくのですが、この際に気を付けるのは水分をふき取りながら行うという事です。水が付着していると温度が下がらず冷えません。氷側の水分と皮膚についた水分をふきながら冷やしていくと早く冷えます。

注意事項は痛みがひどくなる場合はやめてください。また、傷口はばい菌が入る場合がありますので、傷口は直接冷やさないでください。冷やす場合はしっかりときれいな水で傷口を洗って消毒し、きれいなビニールなどで覆ってから行ってください。

アイシング以外に効果的な方法としては圧迫があります。患部を包帯などで圧迫します。完全に血が止まらないように注意しましょう。圧迫することで血流量が減り、止血がはやくなりますし、神経の働きも鈍くなり痛みが鈍ります。

膝の下の痛み:オスグッド

オスグッドの原因

オスグッドの主な原因は、成長期における骨と筋肉の発達の不均衡です。成長期には骨の成長が急速に進み、筋肉や腱の成長に骨の強さが追いつかない場合があります。この結果、大腿四頭筋が付着している脛骨という骨の部分に負荷がかかり、骨が引きはがされそうになり炎症や痛みが引き起こされます。

一般的に、オスグッドはスポーツや活発な運動をする子どもや青少年によく見られます。特に、ジャンプや走り、跳び箱などの動作を頻繁に行うスポーツ(バスケットボール、サッカー、陸上競技など)に参加している場合に発症しやすいです。

また、成長期の子どもたちは筋力や柔軟性が未発達であり、身体のバランスが取りにくい傾向があります。これにより、膝にかかる負荷が増え、痛みを引き起こすことがあります。

オスグッドの症状

典型的な症状は、膝の前部や膝蓋骨(おさら)の下部の少しでっぱった骨に痛みや腫れが生じることです。活動時や運動後に現れます。以下に具体的な症状を挙げます。

  1. 膝の前部の痛み: 膝蓋骨(おさら)の下部や脛骨上部(おさらの下の出っ張った部分の骨)や膝関節の上部で痛みを感じることがあります。痛みは局所的で、触ると痛みを感じます。
  2. 腫れや炎症: 痛みとともに、膝の前部や膝蓋骨の下部に腫れまたは隆起や赤みが見られることがあります。
  3. 運動時の痛み: 特にジャンプ、跳躍、しゃがむ、走るなどの時に痛みが増加します。長時間の運動や激しい運動後に痛みが顕著になることもあります。
  4. 一時的な症状: 一般的には成長期に現れますが、成長の終了とともに症状は軽減されることが多いです。

オスグッドの治療法

オスグッドの治療法は、以下に挙げたようなものが一般的です。

  1. 自己管理と安静: 痛みがある場合は、活動を制限し、スポーツや運動を一時的に控えることが大切です。安静にすることで症状の軽減が期待されます。
  2. 痛みの管理: 炎症を抑えるために非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用が考慮されることがあります。医師の指導の下で使用し、痛みの軽減を図ります。
  3. 物理療法: 患部の炎症を軽減するために冷却療法(アイシング)が行われることがあります。また、関連する筋群の柔軟性を改善するためのストレッチや消炎鎮痛の為の電気治療などが取り入れられることもあります。
  4. サポーターの着用: 適切な装具やサポーターの使用が検討される場合があります。これにより、患部にかかるストレスを軽減し膝関節の安定性が向上し、負荷を分散することができます。

ここで挙げた例はあくまでも一般論です。重要なのは、個別の症状や進行度に基づいて治療計画を立てることです。医師や専門家の指導を受けながら、適切な治療法を選択し、症状の軽減と回復を図りましょう!

オスグッドを早く治すために

オスグッドを早く治すためにはどうすればよいのか?

前項のオスグッドの治療法で挙げた事以外で出来る事は、専門家の治療や指導を受ける事です。自己流は所詮自己流。プロには勝てません。しっかりとその道の専門家に症状をみせて、自分に必要な治療や運動を行っていくのが一番の早道です。

膝の下の痛み:膝蓋腱炎・膝靭帯炎(ジャンパー膝)・分裂膝蓋骨・腸脛靭帯炎(ランナー膝)

原因

膝の下の痛みの原因は共通しているものがあります。

体幹が弱く重心が安定せずに膝でバランスを取ろうとして、膝に過度の負荷がかかったり、反復的な運動、不適切な姿勢、筋力の不均衡などによって引き起こされます。これらの要因によって膝関節周辺の組織に過度のストレスがかかり、炎症や組織の損傷が生じます。

また、足のサイズと靴のサイズが一致しておらず、靴の中で足が動きすぎてそれを止めるために、膝やその周辺の筋肉に余計なストレスをかけてしまい引き起こされる場合もあります。

それから今まであまり体を動かしていなかったのに、急に運動活動が増加したり、身体の成長期に伴い、筋力や柔軟性のバランスが崩れ、膝関節への負担が増加することも原因の一つです。

症状

ジャンパー膝: 膝の前部にある膝蓋腱(おさらの上下の腱)の炎症や損傷を指します。症状は、膝の前部や膝蓋腱周辺での痛みや腫れ、運動時の痛み増強、階段の上り下りやジャンプ時の痛みなどです。膝蓋骨(おさら)のすぐ上や下の圧痛(押すと痛む)があります。

分裂膝蓋骨: 分裂膝蓋骨は、膝蓋骨(おさら)が二つに分かれる状態を指します。この状態は先天的なものであり、症状は膝の前部での疼痛や不安定感、膝関節の可動域の制限などが見られます。

腸脛靭帯炎(ランナー膝): 腸脛靭帯炎の症状は、膝外側での痛みや熱感、腸脛靭帯(足の外側の筋肉)の圧痛、ランニング時や下り坂での痛み増強などです。

    靴、競技用のシューズをチェック

    症状は患部への負荷が一番の原因ですが、足のトラブルで多いのは足サイズと靴サイズが一致してないことが一番多いです。

    すぐに大きくなるからといって大きな靴を履かせるのは大間違い。

    靴の中で足が動き回り余計な筋力を使うことになりますし、足の指が浮いてきて浮指という症状がおこり、接地面積が減り不安定性がまし、パフォーマンスもおちてしまいます。

    適切な大きさの靴を履かせましょう。

    また、現在はいている靴を見てください。

    まず、見る部分はひもを結んでいる部分でつま先に一番近い部分。ここの靴の部分にしわが寄っている場合は靴が大きいで、すぐに買い替えましょう!

    次に見る部分は靴の裏の地面に接する部分です。削れ方をチェックしましょう!

    両方とも同じように減っていたら良いのですが、左右違う場合は注意が必要です。

    バランスが悪くなっていて怪我をしやすい状態です。専門家にみてもらいましょう。

    また、削れ具合がひどく3㎜以上減っているようならすぐに買いなおしてください。怪我をしやすくなります。

    靴を台の上に置きかかとの方から見るのも大事です。台に対して垂直に靴が立っていたら良いのですが、斜めに傾いている場合はアウトです。すぐに専門家に見てもらった方が良いです。

    最後に履き口を見ましょう。靴を下に置き、上から見ます。その際に足を入れる履き口が両側とも同じなら良いです。左右違っていたり、片方だけ斜めに広がっていたりしていたらアウトです。この場合もすぐに専門家に見せましょう。

    やつひめでの膝の痛みの治療は?

    一番最初に行うのはカウンセリングです。やつひめではカウンセリングを一番大切にしています。どこが痛いのか?いつから痛いのか?何をしている時に痛みが強くなるのか?昔、捻挫や骨折、手術などていないか?カウンセリングを行うことにより原因を探っていきます。

    次に子どもさんで膝が悪い場合はまず、靴をチェックします。靴の状態を見ることでその子がどのような動きをしているかがわかるからです。

    靴のチェックが終わると一度歩いてもらいます。歩行を見ることでその子がどの筋肉が弱くなっているのか、どんな癖があるのかがわかります。

    上記のチェックが終わると大体その子が抱えている問題がわかってきますので、実際に触って整合性チェックを行います。そして、治療法を決定して治療を行っていきます。

    治療方法は様々です。筋肉や靭帯が悪い場合は電気治療やストレッチ、筋膜治療、テーピングなどを行いますし、歩き方が悪い場合はインソール治療を行いますし、姿勢が悪い子は矯正、筋力が偏っている場合は筋力トレーニングや体の使い方の指導を行っていきます。

    痛みをなくすだけなら、基本的には安静で治りますが、重要なのはなぜ痛みが出たのか?なので、原因を解決しなければ、現場に復帰してもまた怪我をすることになります。

    やつひめでは原因を解決することを第一に治療を行っていきます。

    この記事を書いた人

    監修:松林伸弥 / やつひめ整骨院代表

    Shinya Matsubayashi

    国家資格:柔道整復師
    社団法人全国病院理学療法協会公認
    運動療法機能訓練技能士
    財団法人日本体育協会公認
    スポーツリーダー
    特定非営利活動法人オーソティックスソサエティー公認 
    フットケアトレーナー マスターライセンス取得
    全国冷え症研究所
    八女分室室長