あなたの腰痛、本当の原因は?腰痛改善するための対処法

腰痛は日本人が自覚する症状の中で最も多く、日本整形外科学会の調査では約3000万人もの腰痛患者がいると言われています。
こちらの記事では気になる腰痛の原因や腰痛時の日常生活の送り方、腰痛改善に効果的な栄養素などを詳しく解説します。

腰痛の種類は実に様々で、人によって対処方法が異なります。
自分に合った腰痛改善方法を見つけて、腰痛とおさらばしましょう!

腰痛が起こる原因

腰痛腰痛が起こる主な原因は、腰回りの筋肉が衰えることで背骨をまっすぐに保持できず、腰椎や背骨にかかる負担が増えることにあります。
この負担が痛みとなるだけでなく、血流が滞って痛みの元の成分が放出されることにつながります。

とはいえ腰痛の原因は、腰の筋力不足や柔軟性の低下ばかりではありません。
実は、腰以外の内臓が原因で腰痛が起こることも

重い病気が隠れている場合もありますので、ひどい腰痛が長引く時は早めに医療機関を受診するようにしましょう。

腰以外の原因がある場合

腰痛腰の筋肉や脊椎以外に原因がある腰痛は、腰痛全体の2%ほど。
それほど多くありませんが消化器系や泌尿器系、婦人科系や心臓病などが隠れている場合があります。

消化器系が原因の腰痛には血便や吐き気、嘔吐が同時に起こり、主に次のような病気の可能性があります。

  • 胃・十二指腸潰瘍
  • 胆石
  • 胆のう炎
  • 慢性すい炎

泌尿器科系の病気でも腰痛が起きる場合があります。
腰痛と一緒に排尿障害や血尿といった症状が現れるのが大きな特徴で、次のような病気が隠れていることがあります。

  • 腎結石
  • 尿路結石
  • 腎盂腎炎
  • 前立腺がん

他にも婦人科系の子宮内膜症や子宮がん、心筋梗塞を起こした際に腰痛が起こることがあります。

いずれも放置すると命に関わる恐れがありますので、なるべく早めに医療機関を受診することをおすすめします。
また臓器以外にも強いストレスが原因で腰痛が起きることがあります。
これを「心因性腰痛」といい、不安が大きくなるにつれ痛みが増し、痛い場所や痛さが毎日変わるのが特徴。
はっきりした原因は分かっていませんが、うつ病といった精神疾患で腰痛が出る場合もあります。

腰痛のタイプ

腰痛腰痛にはどんなタイプがあるのでしょうか?
手術の要・不要や体の動かし方による痛みの出方で種類を解説していきます。

・手術が必要な腰痛

腰痛手術が必要な腰痛は、腰痛全体の15%程。
手術ができるということは原因が特定できているということで、このような腰痛を「特異的腰痛」と言います。

特異的腰痛には次のような種類があります。

  • 坐骨神経痛
  • 椎間板ヘルニア
  • 腰部脊柱管狭窄症
  • 腰椎圧迫骨折
  • 骨粗しょう症

これらは背骨の神経が圧迫されることで痛みが生じ、ひどいケースでは足の筋力が低下したり、足にしびれが起こったりすることがあります。

・手術が不要な腰痛

腰痛手術が不要もしくは手術ができない腰痛は「非特異的腰痛」といい、腰痛全体の85%を占めています。
足のしびれや麻痺といった神経症状がなく、レントゲンやMRIの検査をしても原因の特定が難しい腰痛が当てはまります。

非特異的腰痛には次のような腰痛があります。

  • 筋性腰痛
  • 椎間板性腰痛
  • 椎間板関節性腰痛
  • 仙腸関節性腰痛

非特異的腰痛は自分なりにケアをしていれば次第に良くなることも多いですが、十分な休養が取れなかったり、ストレスなどがあったりすると痛みが長引くケースがあります。

・かがむと痛い腰痛

腰痛上半身を前方に倒したり、物を拾う動作をしたりすると痛くなる腰痛は、背骨の椎骨の間にある「椎間板」が圧迫されることで痛みが生じます。
特に猫背の人やデスクワークが多い人がなりがちな腰痛です。

またとっさに腰をひねったり、重い物を持ち上げたりしたことによるぎっくり腰も含まれます。
この腰痛は揉みほぐしても良くならないのが特徴で、日ごろの正しい姿勢や動作を心掛けるのが腰痛予防につながります。

・反ると痛い腰痛

腰痛洗濯物を干す、電車のつり革を掴むなど腰を後ろにそらすと痛い腰痛は、加齢による脊椎の変形や椎間関節がぶつかることで痛みが出てきます。
それぞれの原因によって治療方法は異なりますが、コルセットの装着や鎮痛剤の服用といった治療が行われます。
ある程度痛みが治まってきたら、ストレッチや体操などをすると良いでしょう。

・肥満体型の腰痛

腰痛肥満体型の方も腰痛になりやすいと言われています。
体重が重ければ重いほど腰の負担が増えるという原因の他に、実は姿勢が変化することも挙げられます。

体重が増えるに従いお腹に贅肉がついた体型の方は、どうしても重心が前に移動してしまいます。
体を支えるためには腰を反らす必要があり、結果として背骨への負担が増えるという訳です。

痛みはいつまで続く?

腰痛腰痛の痛みは、原因によって回復に差があります。
ただ原因のはっきりしない非特異的腰痛の場合は、適切な運動や正しい姿勢を心がければ、次第に良くなることがほとんど。

どんな動きをした時に傷みが強くなるのかチェックをして、腰痛タイプに合った運動をすると良いでしょう。

腰に痛みがある時どうする?注意が必要な日常生活

腰痛腰に痛みがあると、日常生活もままならなくなります。
ここでは日常生活の動作をする際に気を付けるべきポイントについて解説していきます。

・腰痛時の入浴

腰痛入浴は筋肉の緊張をほぐして体をリラックスする効果があるため、腰痛改善におすすめです。
あまり熱くないお湯にゆっくり使って体を温めましょう。

ただし炎症を起こしている場合や自律神経に異常がある場合は、お風呂で腰痛が悪化することがあります。
お風呂上りに腰痛がひどくなったと感じたら上記の可能性がありますので、腰を冷やしてあげると楽になるでしょう。

・腰痛時の運動

腰痛腰にひどい痛みがある時は無理に運動する必要がありません。
特に痛くなる方向に無理に腰を動かすと、腰痛が悪化する恐れがあります。
ただ体を動かすと腰が楽に感じる時や、慢性的にだるい症状がある際には、軽度の運動で腰痛が改善することがあります。

腰痛改善の運動をする場合は、筋肉をほぐすストレッチと筋肉を鍛えて強くする筋トレの両方を意識してすると良いでしょう。

・冷やす?温める?

腰痛腰を痛めた直後や重労働で腰を酷使したという時以外は、慢性的な腰痛なら温めた方が楽になります。
神経の異常などで温めると痛みがひどくなる場合があるので、その際は冷やすことをおすすめします。

腰痛時に腰に貼るシップには「温感」と「冷感」の二種類がありますが、どちらも物理的に患部を温めたり冷やしたりする効果はほとんどありません。
自分が気持ちが良いと感じる方を選んで貼ってみてください。

・薬の服用

腰痛痛みの原因となっている病気の種類や痛みがひどい場合には、薬の服用で改善することがあります。
腰痛で主に使われる薬は消炎鎮痛剤やビタミン剤、筋弛緩剤などです。

いずれも医師の診察を受け、自分の症状や改善具合を相談しながら服用することをおすすめします。

・痛みで起き上がれない・寝られない腰痛

腰痛ひどい痛みで起き上がれない、寝ている体勢が辛いという時はどうしたらいいのでしょうか?

腰痛時は起き上がる動作でもとてもつらく感じます。
少しでも痛みを減らすコツは、横向きの体勢から起き上がること。
痛くない方に体を横向きにし、下になった肘をついてゆっくり上半身を起こしていきます。

ベッドに寝ているという方は横向きになったら足をベッドから降ろした後で上半身を起こしてください。
まっすぐ仰向けの状態から起き上がる方法は、腰への負担が増えますので絶対に避けましょう。

痛みがひどく寝ていられない場合は、ひざの後ろ側にクッションなどを入れて膝を立てるか、横向きで丸まった状態で寝ると楽に寝られるでしょう。

本来寝ている体勢というのは腰に負担がかからないため痛みが軽減するはずですが、痛みがひどくなるという方は寝姿勢に問題があります。
あおむけで足を延ばしたまま寝ると、どうしても骨盤が引っ張られて腰に力がかかり、痛みがひどくなることがありますので、無理にあおむけにならず上でご紹介した方法で寝ることをおすすめします。

・腰痛に優しい座り方

腰痛長時間同じ体勢で座っているのは、腰痛の方にとってとてもつらいもの。
少しでも腰痛に優しい座り方をするためにコツをマスターしましょう。

  1. イスの一番後ろまでお尻を入れ、深い位置で腰掛ける
  2. 真上に腕を上げて大きく伸びをする
  3. ゆっくりと腕を下ろして肩の力を抜く
  4. 少し顎を引いて前方やや下方向を見る

これで背骨に負担がかからない正しい座り方の姿勢になります。
デスクワークの方はイスの高さやパソコンの位置などを調節して、背骨がいつもその姿勢になるようにしましょう。

腰痛がある時におすすめの栄養補給

腰痛

腰痛は食べ物やサプリメントからの栄養補給で改善できることがあります。
腰痛に効果的な主要栄養素は4つあります。

  • ビタミンB…筋肉の疲れを和らげる
  • ビタミンE…血行を改善し筋肉の緊張を取る
  • タンパク質…腰の筋肉を強くする・筋トレと一緒に取ると効果的
  • カルシウム…骨の強化に不可欠で毎日とるのが基本

他にもビタミンDやマグネシウムなども腰痛改善に効果的です。

まとめ

腰痛腰痛は人によって原因やタイプがさまざま。
しっかりと自分の腰痛タイプを見極めて、適切な治療や処置をすることが大切です。

すでに慢性的な腰痛にお困りの方は、お風呂などで温めたり腰痛体操やストレッチなどで筋肉をほぐすのが効果的。
腰痛が改善したら食事などの食習慣や座る姿勢といった生活習慣を見直して、腰痛が再発しないよう予防に努めましょう。


監修:松林伸弥 / やつひめ整骨院代表監修:松林伸弥 / やつひめ整骨院代表
柔道整復師 / 全国冷え症研究所 八女分室 所長
この世界で20年の経験。自分の整骨院を開業して13年。
今までの総患者数15,000人以上サポートし、リピート率約80%を実現している。
とにかく日常生活を思い通り過ごしてもらいたいということが一番。
自身の経験で、高校の柔道活動の中、ケガをして、近くの整形外科に行くと、レントゲンに異常がなかったので、湿布をだされて終わりという処方でよくなりませんでした。
わらをもすがる気持ちで近くの整骨院にいったところ、先生が試合で、少しでも全力が出せるようにと親身に接して下さいました。本当に嬉しかったです。
同じように悩む患者さんに全力でサポートしたい!と思い今日に至っています。

この記事を書いた人

監修:松林伸弥 / やつひめ整骨院代表

Shinya Matsubayashi

国家資格:柔道整復師
社団法人全国病院理学療法協会公認
運動療法機能訓練技能士
財団法人日本体育協会公認
スポーツリーダー
特定非営利活動法人オーソティックスソサエティー公認 
フットケアトレーナー マスターライセンス取得
全国冷え症研究所
八女分室室長