自宅や仕事中に突然ぎっくり腰になってしまった!
椅子に座ることも横になることも辛く、この痛みがいつまで続くのか不安になってくると思います。
病院にすぐに行くことができない、周りに誰もいなくて自分一人・・・
そんな時、発症直後から自分で対処する方法はあります。
ここでは、ぎっくり腰を発症してしまった直後から2,3日後の過ごし方、早く治す方法、再発防止のためのケア方法を詳しく紹介します。
間違った対処をしてしまうと完治を遅らせてしまいます。
正しい対処法を知り、再発しない体作りをしましょう。
1.ぎっくり腰を早く治す方法
ぎっくり腰になってしまったら、痛みの出る期間を少しでも短くしたいと思いますよね。
発症直後は歩くと激痛が走り、立っていることも辛い状態が続きます。
突然訪れた激痛に驚く方も多いでしょう。
しかしぎっくり腰は1ヶ月程度で完治することが一般的です。
落ち着いて冷静に対処しましょう。
ぎっくり腰になった時の正しい対処法を紹介します。
(1)発症直後の対処法は?
ぎっくり腰を発症ししまったらまずは、痛みが出ない体勢を探しましょう。
発症直後は激痛で動けなくなることもあります。
まずは、腰に負担のかからない体勢をとり、ゆっくりと深呼吸して身体をリラックスさせましょう。
・完治するまで安静にすることはNG
ぎっくり腰を発症した後、安静にベッドで過ごしていると完治を遅らせてしまいます。
研究結果では、ベット上で安静にするよりも可能な限り日常生活を過ごしたほうが回復が早いというデータもあります。
急性期の動けない時期を過ぎたら、2~3日後からはなるべく身体を動かすように心がけましょう。
・コルセットは必要?
ぎっくり腰になった後、コルセットを装着すると楽に動けるという場合は、コルセットを付けてでも日常生活を行ったほうがよいです。
コルセットなしでも動けるのなら、つける必要はありません。
大切なことは、安静にせずになるべく腰に負担のない形で動くことなので、その補助道具として活用するのは有効なのです。
・患部は温めるか冷やすかどちらが効果的?
ぎっくり腰になった時に、冷やすべきか温めるべきか悩む方も多いでしょうが、どちらが効果的かという明確な根拠はありません。
急性期に患部が熱を持っているようなら、冷却することで炎症を抑える効果はありますが、冷やすことで筋肉をこわばらせてしまう可能性もあります。
腰の状態を見つつ、患部が腫れたり熱を持っていないのなら温めて循環を改善するのもよいでしょう。
・ストレッチや体操はするべき?
ぎっくり腰になったら、ストレッチや体操をするかどうかは症状や身体の状態によります。
無理をしない程度に動かすことは大切なので、気持ちいいと感じる程度のストレッチや体操をするようにしましょう。
ストレッチや体操をした後に、痛みが強くなるようならやめておきましょう。
・入浴はしてもいい?
ぎっくり腰になってすぐ、患部に熱を持っていたり腫れている場合は入浴をして温めることは避けたほうがよいでしょう。
炎症を起こしている部分を温めると炎症の原因となる物質が広がってしまい、症状が悪化してしまう可能性があります。
炎症が引くまでの2~3日は、入浴は避けたほうがよいでしょう。
・痛みがおさまらない時は専門医を受診する
ぎっくり腰の痛みのピークは発症後2~3日で、それ以降は徐々に良くなってきます。
痛みが治まらない場合は、他の病気の可能性も考えなくてはいけません。
ぎっくり腰だと思っていたら、椎間板ヘルニアや圧迫骨折を起こしているケースも考えられます。
安静にしていても痛みが治まらない場合は、すぐに専門医を受診しましょう。
(2)痛みが出にくい楽な姿勢とは?
ぎっくり腰で痛みがある時は、腰に負担をかけずに楽な姿勢をとりましょう。
ぎっくり腰の時は、仰向けやうつ伏せは腰に負担がかかるので、横向きで膝を曲げてクッションを抱え込むような姿勢をとると楽です。
移動する時は四つん這いの姿勢が、腰への負担が少なく痛みが出にくいです。
寝る時の姿勢は下記の3パターンの中から楽な姿勢をとるようにしましょう。
- 膝を軽く曲げて横向きに寝る
- 仰向けに寝て膝を軽く曲げて膝の下にクッションを入れる
- 仰向けに寝て低めの台に両膝を乗せる
痛みが続くのは1週間程度なので、就寝時は楽な姿勢をとりリラックスしましょう。
(3)発症から2~3日後の過ごし方
ぎっくり腰の痛みのピークは発症から2~3日と言われています。
それ以降は少しづつ可動域を増やしていき動くほうが治りが早くなります。
無理のない程度に、体を動かしましょう。
・日常生活は?
日常生活は通常通りに行いましょう。
安静にしすぎると筋肉が固まってしまい治りが遅くなります。
しかし、重たいものを持ったり腰に負担をかけてしまうと悪化する可能性があるので注意が必要です。
・車の運転はしてもいい?
車の運転は痛みがあるうちは避けるほうがよいでしょう。
運転中の乗り降りや、後方確認、長時間の狭いスペースに座った状態は、思っている以上に腰に負担がかかります。
とっさの判断が事故につながることもあるので、痛みがあるうちは車の運転は避けましょう。
・運動はしたほうがいい?
ぎっくり腰発症から2~3日たてば、痛みが出ない程度に動くようにしましょう。
じっとしていて痛みがなく、腰を動かしても痛みが殆どでないようであれば少しづつ動かしていきましょう。
突然激しい運動をすると症状が悪化する可能性もあるので、ストレッチやウォーキングなどの軽めの運動からはじめることをおすすめします。
・アルコールは摂取してもいい?
ぎっくり腰の痛みがある時は、アルコールは控えたほうがよいでしょう。
腰に炎症があるうちは、アルコールを摂取することにより血管が拡張し炎症を悪化させてしまう可能性があるからです。
痛みが引くまではアルコールは控えましょう。
2.再発しない身体作りのためのケア方法
ぎっくり腰になった後に大切なことは、再発しない身体作りをすることです。
痛みがなくなったからと安心してはいけません。
同じような生活を続けていては、また筋肉の疲労が蓄積しぎっくり腰の再発につながってしまいます。
あの痛みを繰り返さないためにも、日常生活を見直し健康な身体を作りましょう。
(1)日常の動作に注意する
ぎっくり腰が再発しないようにするには、日常の動作にも注意しましょう。
- 床の物を拾ったり、重いものを持つ時は腰だけを曲げるのではなく膝を曲げて屈んでから取る
- 朝起きる時は、急に起き上がるのではなく一度横向きになりゆっくりと起き上がる
- 歩く時は背筋を伸ばして真っ直ぐに歩く
- 椅子に座る時は長時間座りっぱなしになるのではなく、1時間に一度立ち上がりストレッチをするなど血行をよくする
痛みがなくなったからと安心して同じような生活をしていては、またぎっくり腰が再発してしまいます。
腰に負担をかける動作を続けていると、ぎっくり腰を誘発してしまうので日常の動作にも気をつけましょう。
(2)体幹を鍛えて再発しない体作りをする
ぎっくり腰の再発を防止するためには、身体を安定させるために腰周りの筋肉を鍛えることが大切です。
また運動不足にならないように、ウォーキングやストレッチをして全身の血流をよくすることも効果的です。
腰痛は『ローカル筋』と呼ばれる筋肉と関係しています。
ローカル筋が弱くなると腰に負担がかかり腰痛の原因となってしまうのです。
背骨を支えるのに大きな役割を果たしているのが、インナーマッスルである「ローカル筋」と呼ばれる筋肉です。
ローカル筋は背骨に直接くっついている筋肉で、骨を支えるのに大きな役割を果たしています。
このローカル筋が弱くなると、身体を安定させるために腰椎や骨盤に余計な負担がかかり、腰痛の原因になります。
ローカル筋の中でも腰痛予防には「腹横筋」「多裂筋」を鍛えることが大切です。
「腹横筋」「多裂筋」を鍛える体幹トレーニングを紹介します。
・ハンドニー
- 両手・両膝をついて腰を反らさず四つ這いの姿勢になる
- 片腕と対側の片脚を上げて5秒キープ
- 腕と脚を上げた時に、両肩と両臀部が水平になるようにする
- 反対の手足も同様に行う
これを2~3回繰り返す
体幹を鍛えることで、腰をしっかりと支えられる体をつくることができます。
(3)治療院で定期的にメンテナンスをする
ぎっくり腰の再発を予防するためには定期的に治療院でメンテナンスを受けましょう。
身体の癖や習慣は一人ひとり違います。
治療院では、腰の状態を客観的に判断し適切な治療を受けることができます。
ぎっくり腰になって悪化してから治療始めると治りも遅くなり、辛い期間が続いてしまいます。
そうならないためにも、かかりつけの治療院を持つことをおすすめします。
「いつもと少し違うな。」
「腰がだるくなってきたな。」
このように、少しでも違和感を感じた時に受診していれば、ぎっくり腰を防ぐことができます。
悪化する前にきちんと、治療院でメンテナンスをするようにしましょう。
3.まとめ
ぎっくり腰になってしまったら慌てず適切に対処することが大切です。
痛みがなくなってきたら、なるべく動くようにして日常生活に戻していきましょう。
ぎっくり腰の再発防止には適度な運動、体幹を鍛えるトレーニングも効果的です。
腰は身体の重要な部分です。
ぎっくり腰になってしまったら、もう一度自身の日常生活を見直すチャンスです。
痛みのない身体を作って健康な身体を手に入れましょう。
監修:松林伸弥 / やつひめ整骨院代表
柔道整復師 / 全国冷え症研究所 八女分室 所長
この世界で20年の経験。自分の整骨院を開業して13年。
今までの総患者数15,000人以上サポートし、リピート率約80%を実現している。
とにかく日常生活を思い通り過ごしてもらいたいということが一番。
自身の経験で、高校の柔道活動の中、ケガをして、近くの整形外科に行くと、レントゲンに異常がなかったので、湿布をだされて終わりという処方でよくなりませんでした。
わらをもすがる気持ちで近くの整骨院にいったところ、先生が試合で、少しでも全力が出せるようにと親身に接して下さいました。本当に嬉しかったです。
同じように悩む患者さんに全力でサポートしたい!と思い今日に至っています。